壬生義士伝。

自転車にも乗れない。ローラー台の交換も上手くいかない。
となると、やることがない。
ほかに時間のつぶしようがないんで、じゃ、本でも読もうかと。



素数の音楽 (新潮文庫)

素数の音楽 (新潮文庫)

素数の音楽。6つ離れた弟君からのお勧め。いつもいいアンテナ張ってくれてます。

私の場合、中学の頃に盲腸で入院した病院でのアルセーヌ・ルパンに始まり、
謎解きミステリーからハードボイルドへ。
古代史も好きで、宇宙も素粒子も好き。惚れた腫れたが大の苦手。ドラマは見ません。
つまりどんどん感情が抜けていって、いよいよ数の世界です。

もちろん、宇宙も素粒子も理屈はさっぱり分かりません。
数学に至っては、ファルマーの最終定理やリーマン予想と言われたって、
世界中の数学者でも解けないものを分かるはずもないんですが、
でもまあ、そのあたりの匂いというかなんというか、そんなものが心地よいというか。

そんな美味しいところを教えてくれる弟君の奥方がまた本の虫で。
これもいいですよと貸してくれたのが、



壬生義士伝 上 (文春文庫 あ 39-2)

壬生義士伝 上 (文春文庫 あ 39-2)

壬生義士伝浅田次郎

えっ、時代劇じゃない。
うっ、鉄道員(ぽっぽや)の浅田次郎じゃない。
読まないよな。読めないよな。と思いながらも借りてきた。

でもね、読み始めると意外と投げ出すこともなく頁を繰っていく。
といってのめり込んでるわけじゃないんですな。
たまらなく切ない。
上下2巻の文庫本ですが、上巻の終わりぐらいからいよいよ読み進めるのが辛くなってきて。
下巻の2/3を過ぎたあたりで本を閉じました。南部の冷たさも身にしみて、なおなお切ない。
でとうとう読みきらぬまま、借りた本を返してしまいました。

そんなことも忘れていたら、なんとWOWOWのプログラムガイドに放送予定が載っていた。


壬生義士伝 [DVD]

壬生義士伝 [DVD]

えっ、映画になってたんだ。知らなんだ。さっそく録画。
で先日、雑用を片づけ、漢方薬ティッシュを手元において、腹を決めて見ましたよ。
こんな時のホームシアターだぜ。

・・・・・・・・・

嗚咽です。涙なんて流れっぱなしです。

こんなもんに泣きやがって。
昔のハードボイルドの男の背中はどうしたんじゃい!!!

と自分で突っ込みを入れながらも、そんなもん、もうどうでもいいかなと。
見事なまでのおっさんの出来上がり。

でもさ、中井貴一ってあんなにカッコよかったっけ。