フェリーに乗って阿蘇に行こう!その3

朝に海霧が流れて、やがて樺島を包み、そして消してしまいましたとさ。



それはそれでいいからさ。次を頼むぜと。
はい、はい、はい。






12時のチャイムを聞きながら、さぁ、まずは菊池渓谷を目指して走ります。






最初のうちは勾配も緩やか。
2年前のブルベで走った球磨川沿いを思い出しますな。






分岐から30分。菊池渓谷に近づいてきました。
渓谷は涼しげですが、またこのあたりで体が火照ってきました。

我慢できなくなって水浴びしようと、駐車場に自転車を止め、
ボトルを片手に渓谷へ下りて行こうとしたら、観光協会の方でしょうか、
若いお兄さんが、「休憩ですか。それとも渓谷を回りますか。」と近寄ってきました。

「休憩というか、どうも熱中症みたいなんで水浴びをしたいだけなんですが・・・」と答えると、
この時期「熱中症」って言葉はすごいね。
「そりゃ大変だ。川へは入れませんが、水ならトイレのそばの水道をどうぞ使ってくださいよ。」って。

ではと、お言葉に甘えまして、勢いのある蛇口からボトルに汲んで、ここでも頭からの行水を。
たぶん川からの汲み上げなのか、これもまた冷てぇ〜。

若いお兄さんは、そんなワタシを見ながら少し年配の同僚の方に、
「あの人、水浴びてるあの人、熱中症らしいよ。この暑さだからね。」って。

とりあえず、体も冷えてボトルにも水をいただいたんで自転車へ戻ろうとすると、
「どうぞ、ゆっくりいいですよ。」と言いながら、
また同僚の方に「歩き方が少しおかしいよね。熱中症やけんね。」みたいなことを言ってます。
もともとSPDシューズだし、膝にはサポーター。
おまけに自転車に乗りっ放しだから腰の引けた歩き方になるんですが、
せっかく熱中症と認めていただいたんでそういうことにしといて(あながち嘘じゃない)、
同情のお見送りを受けながらリスタートしましたよ。






この後も川沿いにはこんな景色が続くんだけど、とにかく暑い。
ここで高度510mぐらい。まだ450mも残ってるのかと思うと、グワーっと疲れが圧し掛かってきて。






どこまで登ってもこんな道。
高度が100m上がるごとに水掛け休憩しながら、登ります。






2時前。急に視界が開けて明るくなった。外輪山へ出たようです。
あ〜っ、きつかった。






阿蘇五岳を見ながらしばし休憩。やっぱ気分がいいですな。
















実は、今回の目的は、次男のアパートに寄って元気な顔を見てくること。
もうひとつは去年、長男と車で下りたラピュタの道を自転車で下ってみること。
特にラピュタの道は一度は走ってみたいもの。
ここまでくればあとはもうすぐです。






この先を左に曲がるとラピュタの道です。






ゲッ!!!「落石の恐れがあるため、全面通行止」って。確認してなかった(^_^;)

走れないのも辛いけど、もうここからは下りだけだと思ってただけに、も少し外輪山を回るとは。トホホです。






3時過ぎ。遠まわりをしながらもなんとか息子のアパートに到着。
息子、確認。元気な顔で一安心です。

アパートでシャワーを借りて、遅い昼食の冷やし中華をいただきました。
このあとは熊本港のフェリーターミナルまで市内を突っ切って下るだけです。

フェリーには2つの会社があって、30分で島原に渡る熊本フェリーと60分かかる九商フェリーと。
できるだけ船には乗りたくないんで、熊本フェリー6:30発の最終便に乗ることにしました。
この時間だとゆっくり下っても十分間に合います。

そのはずです。そのはずだったんだけどね。






夕暮れの道をフェリーに向かって爆走してます。

なぜ爆走かって。

だって、また後輪がパンクしたから。

外輪山を下り、すこし走って熊本市内に入ったあたりで後輪がヘン。

ゲゲゲゲゲゲェェェェ〜〜〜〜パンクだ

あと1本あったCO2ボンベで空気を入れる。すぐに充填完了。
これでとにかく港まで持ってくれ。
でもでもでも、ワタシの願いも届かず、1キロも走らないうちに空気が抜けてしまった。
チューブの予備はあと1本。だけどCO2ボンベがないんで、携帯ポンプでシュコシュコとやるしかない。
この時点で5時20分ぐらいだったはず。
6:30発に間に合わないのはもう確実で、一番遅い便の九商フェリー7:10発も心配になってきた。

後輪ばかりパンクするのはひょっとしたらリムテープかもしれないし、シュコシュコしてたんじゃ時間がかかりすぎる。
こりゃだめだ。とにかく自転車屋さんを探そう。
たぶんどこにでもあるはずの(長崎にはないけど)、サイクルベースあさひさんをスマホで探すと「熊本帯山店」がありました。
なんと今いる交差点が帯山1丁目。

近いのか。
でも電話をすると結構距離があるようだ。
というかもう少し早く電話すればよかったのにどうも通り過ぎてたみたい。

どうする。もう諦めて今日は熊本に泊るか。下りてきた道をまた阿蘇に戻るのか。


・・・・・・


それはいやだ。帰りたい。

とりあえず、サイクルベースあさひまで走ってみよう。
とにかく帰りたいから。


それから頑張りましたよ。
テカテカ光るUVタイツをはいたオヤジが、
パンクした自転車を押しながら歩道を走る。走る。走る。足が攣る。

やっと着いたのが、5時45分。
電話で話をしてた店長さんが、「この人、時間がないからとにかくチューブ交換だけやってみて!」って店員さんに。
10分もかからず交換し、支払いも済みました。

「え〜っと。ここから港までどれくらいありますか。」
「ここからですか。結構遠いですよ。20キロぐらいかな。」
20キロか。残り時間は1時間15分。
アベ20キロで走ればじゅうぶん間に合うけど、この暑さで阿蘇まで登ったアラフィフの足には無理っぽいぞ。
おまけに市内はこれから渋滞だし・・・

でも、まぁ、やるだけやってみるか。
お店にお礼を言って走り出しました。

いつもはしない渋滞の路肩すり抜けも、今回だけはご勘弁。
信号ストップに止まるたびに大きく息をしながら、先を急ぎます。
もうこうなると、膝が痛いとか、暑いとか言ってらんない。

走ってる間は25〜30キロ。で信号で止まる。
間に合ってるのかどうか分からない。もともと20キロがほんとうなのかも分からない。
分からないけど走っている。
なんかブルベよりキツイぞ。

膝は大丈夫だけど、その下のふくらはぎが攣り出した。
ごまかそうと左足で走ったら左の太もも内側が攣り出した。
痛くないように走ったら、10キロ台に落ちた。間に合わない。

信号で屈伸をしたが治らない。
次の信号で、フロントバックからエアーサロンパスを取り出して思いっきり吹き付けた。
ギュンと冷えるが蚊に食われた痕にジーンと滲みる。
後ろの車の運転手が怪訝そうな目で見るが、そんなのは知らん。

何度目かの信号で、ボトルの水が無くなって喉がひりついた。
思い切って道路わきのコンビニに滑り込み、選ぶ余裕もなくココナッツウォーターを手に取った。
買ってすぐに半分飲み乾し、残りはボトルへ。

コンビニに寄ったばっかりに、港でフェリーを見送る姿を頭から振り払いながら、また走りだす。

信号地獄が消えたころ、市街地を抜けた。

そしてワタシは、夕暮れの道をフェリーに向かって爆走してます






6時50分。目の前に橋が見えてきた。

そうだった。
熊本のフェリー乗り場は橋で繋がれた人工島。
この橋が長いぞ。おまけに、ここにきての向かい風。
体が撚れる、揺れる。たまんない。






6時58分。着いたぞ〜。






ねっ、なんとか着いたでしょ。






船尾デッキの椅子に沈んで、Qooを一気飲み。
続けてコーラの350も。

登り始めた満月と船の軌跡をぼーっと見ていると、また左太ももの内側が攣ってきた。
たまらなく痛い。
エアーサロンパスを使い切ってしまおう。そうしよう。






立ち上がって前を見ると雲仙の向こうに日が落ちてオレンジ色が滲んでた。

いろいろあったけど、フェリーに2回も乗って、阿蘇にも登り、息子に会って、まぁ楽しい一日でした。

って、フェリーに間に合ったから言えることで・・・






8時10分に島原外港に到着。
まだ島原外港か。
あと15キロほど走らないといけないけど、もう急ぐ必要はないからぼちぼち行きましょう。

さすがに日が落ちると暑さがおさまり走りやすいですな。
むしろここから多比良港までが今日一番の快調な走りでしたね。







分かりずらいけど、9時ごろにデポした車に帰ってきました。
ここからまだ家までは2時間ほどありますけどね。

いやいや、一日、遊びました。お疲れ様でした。

総距離 187.7キロ − フェリー 33.4キロ+ 自転車を押して走った距離 1.5キロ = 155.8キロ

で、帰ったら体重が増えてましたとさ。

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