人の声。詩の力。
今朝早くから人間ドックに市民病院に行ってきました。
いやいや、新しいだけあってきれいです。
ここは最後の胃カメラ。
喉の麻酔だけでやったけど、ここ数年で一番楽でした。
それにしても最近は検査の結果が早い早い。
医師の診察を受ける時間には、血液検査や何やかやのデータが先生のもとに飛んできてます。
でまぁドックの結果を端折って申し上げると、
「年相応に劣化してます。が、メタボではない。ただし、酒に関する数値は軒並みダメダメよ。」
と先生がおっしゃるとおり、パソコンの画面にγ‐GTPだけが赤い文字で。
まあ想定通りです。去年1年運動もしないで酒ばっかり飲んでましたからね。
逆にこれで何もなければ、ワタシはミュータントかも。
いいんです。年に1回検査をして、それを契機に健康に気を配り酒を減らしてみたりする。
でもそんな気構えは長続きしないから、また1年後に検査して気合を入れ直す。
そんな繰り返しで年を取っていくんでしょうな。
意外と早く終わり家に帰ってみれば、冬の海。
南西の風が強く冷たく。
人間ドックのために休みを取ったんで、戻ってみればカイン以外には誰もいない午後。
誰はばかることなくボリューム上げてCDを聴いてます。
自慢じゃないが、いい音だからボリューム上げてもうるさく無い。わかるかなぁ〜。
それにしてもカイン。熱を発するから温かくて乗ってるんだろうけど、そのアンプとプレイヤー、
消防団の退職金を元手に買った当時の値段は○十万円だったんだよ。えぇ、おい。
音が出ると音の出所に興味があるらしく・・・
やばい、ユニットのコーン紙に爪が伸びそうです。
さすがにここは、「こら!カイン!!!」
とか何やらやりながら、最近の2枚を聴きつつボリューム上げても音がいいと人の声を聴きたくなるもの。
そこで引っ張り出したのは、
音から人の声に、そして詞へ。詩へ。このCDの9曲目。
自分の感受性くらい 茨木のり子
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志しにすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
「わずかに光る尊厳の放棄」
そうはなりたくない