星野道夫さんのこと


いい天気になりました。














今日もカインと一緒に家の掃除です。手伝いはしませんがね。














さて、表題ですが・・・
いい本だと聞いていた「旅をする木」。

アラスカに住み、アラスカの自然や生活を伝える写真家(だった)、星野道夫さんのエッセイです。
カリブーやヒグマ、ヘラジカ、オーロラ、氷河、そしてエスキモーたちの暮らし。
写真家なのに、この本には写真は1枚もなくて、それでも、アラスカの広さ、寒さ、美しさが伝わってきます。
星野さんは、まだまだ外国が遠かった1968年、憧れだけを胸に16歳でブラジルへの移民船に乗りアメリカに3カ月の旅へ。
星野さんもすごいけど、それを許したお父さんもこれまたすごい。
最終的にはアラスカに定住しました。

そんな中から、動物でもオーロラの場面でもないんだけど、個人的に好きなところを少し抜粋します。

それは、北極圏のあるエスキモーの村を空から撮った写真だった。・・・
・・・なぜ、こんな地の果てのような場所に人が暮らさなければならないのか。それは、実に荒涼とした風景だった。
人影はないが、ひとつひとつの家の形がはっきりと見える。いったいどんな人々が、何を考えて生きているのだろう。

昔、電車から夕暮れの町をぼんやり眺めているとき、開けはなたれた家の窓から、夕食の時間なのか、ふっと家族の団欒が目に入ることがあった。
そんなとき、窓の明かりが過ぎ去ってゆくまで見つめたものだった。そして胸が締め付けられるような思いがこみ上げてくるのである。
あれはいったい何だったんだろう。見知らぬ人々が、僕の知らない人生を送っている不思議さだったのかもしれない。
同じ時代を生きながら、その人々と決して出会えない悲しさだったのかもしれない。・・・

ただ、読みながら、「アラスカの日本人写真家」という点で何か引っ掛かっていたんですが、池澤夏樹氏の解説を読んで、あっ、そうだったと。
1996年、取材中にヒグマに襲われ亡くなりました。43歳。
当時、ニュースか特番で見たんでしょう。居た堪れなく感じた記憶が残っていたようです。

エッセイだけじゃなくて写真も見てみたい。そう思ってネットを検索していたら、
なんと今年の7月から8月にかけて、長崎県美術館で「没後20年特別展 星野道夫の旅」が巡回開催されていました。
あ〜ぁ、なんとも情けない。
ポスターなり、CMなり、何らかの情報は見聞きしてるはずなのに、気づかないなんて。
アンテナの精度が落ちたのも歳のせいでしょうかね。まったくもって残念です。














だから借りてきました。文庫本だから小さい写真だけどしょうがない。
いづれまた機会があるでしょう。














さてさて、我が家のワイルドライフはというと・・・

縁側でポカポカ。

晩秋です。


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