BRM426嘉麻300kを振り返って。その3


風もなく穏やかな朝になりました。
お尻と手のひらの痛みも和らいできたんで、明日あたり、乗り出すこととしましょうか。

さてさて、昨日の続きです。
走りなれた変態さんにすれば、たかだか300kを走ったぐらいでいつまでも振り返ってるんじゃないよ。
とのご意見もありましょうが、常識ある一般人の非日常体験はことほど大変だったということで・・・
でもまあ、いつまでも引きずらずにPC1からゴールまでサクッといってしまいましょう。


PC1(ファミマ二丈バイパス深江店)〜PC2(セブンイレブン佐賀鎮西町名護屋店) 44.3km


誰にぶつけることもできない怒りを抱えたまま、ちょうど24時にリスタート。
PC2までは概ね海岸線の平地基調で、向かい風さえなければ何とかなりそうです。
とはいっても時間貯金は30分を切ってるんで、必死の形相は相変わらず。
まるで夢の中で追いかけられてるみたいで、走っても走ってもおんなじようなカーブと海岸線の繰り返し。
風がなかったのが救いでした。

15kmほどで虹の松原到着。
でもね、誰もいない4kmもある夜の松原を、ただただ走るというのもね、それがブルベなんでしょうけど。
黒い太い棒が並んでるだけでほんと楽しくない。おまけに体がぐんぐん冷えてきた。
たまらず、松林を過ぎた先のコンビニで持ってるものをすべて着込みました。
冬用のジャケットの上にウインドブレーカー、インナーグローブの追加、靴下は2枚履きに、
ヘルメットの下のバンダナは耳まで隠れるキャップに交換、
果ては絶対使わないと思っていたネックウォーマーまで首に巻いて・・・
ダルマですが、もう見た目なんてどうでもいいんです。
てれすけさん、寒さ対策のアドバイスありがとうございました。荷物になっても担いできてよかった。
少し暖かくなってホッとしている横を、レーパン1枚の人が追い越していく。
彼我のあまりの違いに、なんだかなあ〜ってね。

着替えて喝を入れなおし、唐津市内を走っていると、交差点に誰か立っている。
手には「426嘉麻300k、ここは唐津です。(だったかな)」の段ボールが。なんと応援の方でした。
礼を言って「私が最後でしょう。」というと、
「みんなそう言って走っていきますよ。2時まで、ここで待ってみます。」とのこと。寒い中、お疲れ様です。

この後、PC2のコンビニ目指して登り始め、一旦呼子へ降りて、また登り、
たぶん3時前にPC2に到着したはずです。(なにぶんレシートを処分・・・)

PCには既に2〜3人のランドナーが休憩中で、私の後からも2人ほど到着。(おっ、ビリじゃなかった。)
結局ゴールまで、ここで言葉を交わした人たちと前になったり後になったりして走ることになるんですが・・・


PC2(セブンイレブン佐賀鎮西町名護屋店)〜PC3(ファミマ山下江迎店) 89.2km


ここからPC3までは、入り組んだ半島のアップダウンを玄海町伊万里・松浦・平戸と過ぎて江迎までの89.2km、
コースの中でPC間最長区間です。
繰り返すアップダウンにうんざりするでしょうが、その分PC間の時間も長いんで、ここを乗りきればと・・・
ということで、今回も時間貯金を使わないように、
おにぎりを栄養ドリンクで流し込み、重い腰を上げてリスタートしました。

福島大橋を過ぎたあたりからか、ようやく空が白み始めた。
気にしてた向かい風もありません。足が回らないのはしょうがないとして、体のほうはお尻が痛いだけで他は大丈夫。
よくよく考えると、寒暖差はあったものの、雨も降らず風もなくて天候に恵まれてます。
これで完走できないなとなるとほんとに申し訳がない。

さてさて、伊万里湾伊万里大橋でショートカットして松浦に向かいます。
いい加減アップダウンに悪態もつきあきて、早く平戸口につかないかと走っていたら、
後ろのほうから、「大丈夫?」とまた声を掛けられて。
おっ、代表さんたち。全然先を走っているものと思っていたら、後ろから来るとは。なんと神出鬼没。
走りに余裕があるんで写真を撮ったり食事をしたりした楽しんでるんでしょうね。うらやましい限りです。
私も後塵を拝しながら何とか頑張り、平戸口を過ぎて田平カトリック教会へ向けて右折します。
ここまでずっと夜中の服装のままで走ってきたけど、日が登り暑くなってきた。たまらず冬装備から脱皮します。
すっきりなったのはいいんですが、脱いだ服を押し込んだバックパックが肩に食い込んでくる。
夜中に助かったんでしょうがないけど、ここにきてこの重さは堪えます。





せめて1枚ぐらい写真を撮ろうと足を止めました。横からの写真がよかったかな。
この後、少し登って昆虫の里たびらでR204号に戻るとあとは下り基調。
8時40分ごろ、PC3に到着しました。少しだけ時間貯金が貯まって門限まで45分。ちょっと休みます。


PC3(ファミマ山下江迎店)〜PC4(セブンイレブン佐世保長畑町店) 56.2km


PC3からゴールまでは、平地基調です。ここにきて初めて完走できるんじゃないかと思いました。
コンビニには、ここまで前後しながら走ってきた人たちも休んでました。
互いに名前は知らないけど、顔を見合わせてはなごみます。ほんの数時間前に声をかけ合わせただけなのに、妙に懐かしい。
ここでちょっとゆっくりしようとシーフードヌードルを買ったけど、半分をお茶で流し込むのがやっと。
まぁ、無理せずに、おにぎりを買ってリスタートしました。

PC3を出てすぐに右折。真っ直ぐ行けばいいものを長串山方面に向かいます。
長串山公園つつじ祭りの真っ最中。満開です。
ここで気づいたんですが、今回のコースは、日頃家庭サービスを忘れた親父たちに、
せめて観光地だけでも見せてやろうというスタッフの温かい思いやりじゃないかと。
振り返っても、大宰府唐津虹の松原・呼子玄海原発(?)・伊万里大橋・平戸大橋・田平カトリック教会、
昆虫の里たびら・長串山公園ハウステンボス・・・・・・
でもね、私は見たいのは、
真っ直ぐに伸びた平らな道で、道の両側には1kmごとにコンビニがあって、コンビニの幟旗が追い風で先へ先へとなびいている!!
そんな風景が見たいんです。・・・・・・

まあ、こんな戯言は戯言として、佐世保の相浦からは勝手知ったる道。もう、キューシートを見る必要はありません。
ただ、空気が乾燥してるのか喉の奥が痛み出してきた。
嚥下するたびに痛いんで頻繁にドリンクボトルから水分補給します。(ドリンクボトル、買っといてよかった。)
それと、手のひらが痛み出してきた。
前回はハンドルに厚めのクッションを巻いてたんですが、今回は無精したためにこんなことに。どこを握っても具合が悪い。
ごまかしごまかしPC4に到着。たぶん、12:00頃でしょう。1時間の貯金です。


PC4(セブンイレブン佐世保長畑町店)〜ゴール 42.1km


ここまでくれば大丈夫。よほどのことがない限り完走できるでしょう。
コンビニの駐車場で、また一緒になった方とまったりと話しながら休憩。
残り40km。食べるほどのことも無いんで、今回初めてのアイスをいただきました。
抹茶モナカがひりついた喉に気持ちいい。
ところが、ここからの40kmがつらかった。
川棚に抜けるのにこんな勾配があったっけ?
大村までは道が狭くトラックが多いんで気は使うし。(まぁ、トラックにも十分な言い分があると思いますが…)
大村に入ると路面が荒れて、細かい振動がお尻や手のひらを直撃。
そんなこんなを我慢してやっと鈴田峠を越えると俄然元気になりました。

最後の力を振り絞って3時前に諫早第1ホテルにゴール。18時間55分でした。
レシートの確認をしてメダルを貰っているそばでは、今日の懇親会の段取りは?なんて、
明日からも走り続ける変態さんたちの声が聞こえたりして・・・

皆さん、ほんとにお世話になりました。